それは1980年のことなので、今からもう42年前のことになる。
親父が会社を初めて初めてパソコンを買った。PC-8001だったと思う。
中2だった私はその頃鹿児島の学校に行っていたので、会社のパソコンを触りたかったがそれは叶わなかった。
で、その頃インターネットなんてものもなく、コンピュータ雑誌のI/Oという雑誌を購入して、いろんなプログラムを見ていた。そこには技術計算のプログラムサンプルもあれば、ちょっとしたゲームのサンプルもあった。インベーダーゲームみたいなプログラムもあったと思う。
そんなプログラムを見ていたら、当たり前だけど触ってみたいと思うわけですよ。実際に打ち込んで動くかどうかを試してみたいと。
でも自由に使えるパソコンなんであるはずもない。そんな時天文館(焼酎の名前じゃないですよ。鹿児島一の繁華街です)を歩いていると、「シャープMZ−80あります!」なんて書いてある店が有るではないですか。
怖いもの知らずの中2の私は、その店に行って、触ってもいいですか?ずっと触っていてもいいですか?と店員サンにお願いしたところ、まあ快くOKしてくれました。
そこから3ヶ月位ですかね。休みのたびに行って、I/Oという雑誌を片手に一生懸命プログラムを打ち込んでいくわけです。昼1時位から夕方まで4,5時間はいたでしょうか。おおらかな時代だったのでしょう。店員さんも「いつか買ってくれるかな」くらいの感覚で、椅子まで貸してくれました。
一心不乱に打ち込みましたね。動いた感動はもうたまらないものがありました。
数ヶ月たったころ、店員さんから(きっと経営者の方だったのでしょう)そろそろ買うか買わないか考えない?
ということを言われ、価格は20万円くらいでしたが36回払いで月1万円なんてことを言われたような記憶があります。もちろん買えるわけもなく、その店には行きづらくなってしまいましたが、パソコンの魅力に取り憑かれるだけの時間をその店に過ごさせていただきました。
その後バスケット部に入り部活漬けになり、大学に入学するまでは帰省した時以外はパソコンとは無縁でしたが、多分人生に大きな影響を受けたことは間違いありません。
おかげで、パソコンに目覚めた私は、いまでもコンピュータと一日中関わる仕事についています。
多分あの自由にパソコンを触れる時間がなかったら、今の人生はなかったかもしれません。
恩返しをしたくても、店の名前も覚えていないし、場所ももう覚えていません。残念です。
いま私はコワーキングスペースを色んな人の力を借りながら運営していますが、その原点は何ヶ月もタダでパソコンを扱わせてくれた、鹿児島のあの店にあったような気がしています。
昼間と土曜日は有料ですが、高校生以下は夕方以降は無料です。
たくさんの高校生に精一杯勉強してもらい、一人でもいいので大人になった時にTimeskyというコワーキングスペースを思い出してもらい、未来の子どもたちに次の夢を叶える場所を与えてくれたら嬉しいな〜。
あのお店への感謝の思いを紡いでいけたらな〜 そんな思いですかね。