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データと情報
2015-04-22 Tacmic情報
新学期になって、非常勤講師を務めている専門学校で、「情報検定(J検)」を教える事になりました。

そこで最初に教えたのが「データ」と「情報」の違い。
データも情報も、JISでちゃんと定められています(びっくり)
情報は、「事実・事象・物事・過程・着想などの対象物に関して知り得たことで、概念を含み、一定の文脈中で特定の意味を持つもの」であり、
データは「情報の表現であって、伝達・解釈または処理に適するように形式化され、再度情報として解釈されるもの」
と書かれています。

データは同じ条件で取得した時には誰もが同じ結果を得ることができるもの。客観的なものですね。
情報はそれに主観的な感想や表現を加えたもの。となります。

例えば、4月21日のプロ野球の話になりますが
それまでにソフトバンクの内川選手の打撃成績は
20試合出場で86打席、76打数、24安打 二塁打8本 本塁打2本 打率.316 打点18 三振8(途中略)
となっています。
これはルール上誰が記録しても同じ結果を得ることが出来ますので、それはデータです。
このデータから抽出したデータで言えば
内川選手の成績は、打率.316あります。
となります。
まずこれらのデータを抽出した時点で情報性は高まります。
内川選手の成績といえば、打席だけじゃなく、守備も入りますし、エラーも入るはずです。それを無視した段階で情報性が出てきます。
内川選手の成績=打率 とした時点で、発信側はプロ野球選手の成績を測る尺度としては打率に価値をおいているという事がわかります。
さらに、「内川選手は打率が.316『も』あります」とした場合は、発信側はこの成績に対して素晴らしい評価を出していることになるでしょう。

つまり、情報は「主観性」が必ずつきものなのです。

慰安婦問題などで、「従軍慰安婦は軍が強制して連行した事実はない」これは朝日新聞が捏造したものである、だからこの記事自体を取り消す。という報道がありました。事実はないということは分かりましたが、いろんなマスコミは「本当に強制性がなかったかどうかは定かでない」と言いました。
これは、「あったかどうかは発信側はわかってない」ということを行っているのですが、「本当に強制性がなかったかどうかは定かで無い」という情報性を持った表現をすることで、私達は「もしかするとやっぱりあったかもしれないな」と思う可能性があります。これは情報誘導です。

同じように、「原発はもし何かあったら危険だ、だからやめよう」という論議の報道があります。でも、「自動車はもし何かあったら危険だ、だからやめよう」という報道は時たま出るにしてもほとんどありません。
沖縄基地の問題も「反対の集会」はたくさん報道されますが、「賛成の集会」の報道はほとんどありません。
つまり、報道が情報発信であるかぎり、発信側には発信する内容を選べるのです

ということで、私達はどれが情報でどれがデータであるかを見極める必要があります。

なんてことを考えてしまった情報とデータの違いでした。

 


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